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ミスマッチを最小限にする高校生採用のポイントと取り組み



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高校生採用は大学採用と比較して活動期間が非常に短いため、多くの企業がミスマッチに頭を悩ませています。中には働くことへの具体的なイメージを形成できていない高校生もおり、企業との期待にズレが生じ、結果として早期離職に至るケースも少なくありません。

ミスマッチや早期離職などの課題解決においては、高校生に対して企業理解を深める場を用意し、働くことへのイメージ形成をサポートする働きかけが不可欠です。

そこで今回は、「パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社」をゲストにお招きして、【WORKS REVIEW】を実施。

採用難易度が高まる高校生採用において、短期間でも相互理解を深められる工夫やミスマッチを抑えるための取り組みをレビューします!



 INDEX 



◆ 高校生採用の市場感とルール

本章では、高校生採用の市場感とルールについて解説します。

高校生採用の市場感

厚生労働省が公表した「令和5年度 高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」によると、令和6年3月末時点の高校生向けの求人数は、約48万2千人と、前年同期と比較して8.7%増加していました。

高校生向けの求人数は、リーマンショック以降、右肩上がりに増加しており、コロナ禍においては一時的に減少したものの、現在はコロナ禍以前の水準まで回復しています。特に求人倍率は、10年前(平成27年)の1.28倍と比較して令和6年は3.52倍にまで上昇しており、新卒採用市場において高校生の需要が高まっている様子がうかがえます。


参考:「令和5年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」(厚生労働省)

高校生採用のスケジュールとルール

高校生採用では、大学採用や中途採用とは異なり、さまざまなルールや制限が設けられています。
スケジュールにおいては、学校教育に妨げにならないよう、求人申込書の受付や求学校訪問などの解禁日が一律に定められています。



<2024年度 高校生採用スケジュール> 

● 6月1日:ハローワークによる求人申込受付開始

● 7月1日:求人票開示解禁・企業による学校訪問開始

● 9月5日:応募書類提出開始(推薦開始)

● 9月16日以降:企業による選考開始

● 10月1日以降:一人二社まで応募・推薦開始

※一人二社応募のスケジュールや規定は都道府県ごとに異なります。



また、高校生採用では、過度な求人活動による弊害を防ぐため、三者間(行政・学校・主要経済団体)によって次のような規制と禁止事項が設けられています。

■ 一人一社制

高校生採用では、「一人一社制」が設けられており、応募書類提出開始から9月末までは、原則一人一社しか応募できません。ただし、不採用になった場合に限り、10月1日以降に一人二社まで応募が可能になります。

■ 直接連絡の禁止

高校生を採用する過程においては、企業と生徒が直接コンタクトを取り合う行為が禁止されています。これは、健全な学校教育の妨げになる懸念を回避するためであり、企業は原則学校経由で情報の提供に努めなければなりません。

高校生は大学生と比較して企業文化や風土、仕事への理解が浅いまま入社に至ってしまいやすいことから、企業は早期離職を防ぐための取り組みを意識的に行う必要があります。

■ 求人票の発行及び応募者の受付

求人票は、必ずハローワークにて発行しなければならず、広告等の掲載にあたっては、ハローワーク名及び求人番号を掲載が必須です。また、応募者の受付は、学校またはハローワークを通じて行わなければなりません。

このように、高校生採用は大学生採用にはない厳格なルールが設けられている点が特徴です。そのため、ルールや他の採用との違いを理解した上で、採用ターゲットに近い高校生に興味・関心を持ってもらえるような取り組みや施策を推進していかなければなりません。


参考:新規高校卒業者に対する求人活動のルール(厚生労働省)



◆ WORKS REVIEW 実施内容


短期間の採用活動となる高校生採用においては、どのようにして高校生と相互理解を深めるかが採用成功や早期離職防止の鍵となります。しかし、厳格なルールが設けられている中、どのような施策に取り組むべきか悩む人事担当者も少なくないでしょう。

今回は、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社にて技能系採用ユニットのユニットリーダーを務める秋山氏をゲストに迎え、WORKS REVIEWを実施。

高校生採用において注力している取り組みや応募者となる高校生の不安を払しょくするための工夫などについてうかがいました。

※出演者情報はセミナー開催時点(2024年11月27日)のものです。



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出演者

秋山 光  氏

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
リクルート&キャリアクリエイトセンター 採用部
タレントエクスペリエンスデザイン二課
技能系採用ユニット ユニットリーダー

秋山 光 氏

2014年に東芝テック株式会社に新卒入社。
代理店、エンドユーザー向けに複合機の新規/ルート営業を経験。
2016年にパナソニック株式会社へキャリア入社し、
代理店向けにLEDや配線器具といった電材商品のルート営業を経験。
社内公募制度で2020年から学校法人海陽学園へ出向し、将来の日本を牽引する、
明るく希望に満ちた人材の育成に従事。
全寮制の寮に住み込み、中学1年生~高校3年生と真摯に向き合う。
出向復帰後は、2021年にリクルート&キャリアクリエイトセンターへ異動、新卒技術/技能系採用を担当。

採用概要


 
採用人数: 50名/年
※高校生採用については、事業会社ごとに採用を実施。

高校生採用を実施する背景


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秋山
製造系現場の年齢層が40代・50代中心になりつつある今、パナソニックのモノづくり技術の継承は急務です。
年間50名程度の高校生採用を実現せねば、パナソニックのモノづくりそのものが危うくなると懸念されています。
弊社が持つモノづくり技術を後進に伝え残すためにも、今後の生産技術を受け継いでくれる高校生を目標人数通り採用することが必須です。

現状の課題


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秋山
一番の課題は、やはり学校との継続的な関係構築ですね。採用人数が減少すると、訪問する学校を制限せざるを得ない場合があります。学校訪問の期間が数年空いてしまうと、学校との関係が振り出しに戻り、関係の修復に時間がかかることがあります。
採用人数問わず定期的に訪問するべきですが、動機がない中での訪問は実施し難い側面があるのも実情です。

また、高校生採用は、学校の先生と直接やり取りをするため、属人化しやすい傾向があります。
訪問する担当者が変わることによって、推薦がなくなったり話を受け付けてもらえなかったりするような事態は、極力減らしていかなければなりません。
現在は、マニュアルを作成し、誰が訪問しても同じクオリティーを担保できる状態を目指しています。

高校生採用において注力している取り組み


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秋山
高校生採用では、学校との良好な関係を維持・構築することに注力しています。
特に、地場の事業所や工場と地場の高校が繋がれる機会の創出を大切にしており、学校行事などで学校から工場見学のご要望をいただいた時には、1年生や2年生などの低年次であっても断らずに受け入れるようにしています。
もちろん、工場見学には、現場社員の協力も不可欠です。そのため工場に在籍する人事担当者とも連携を取り、学校から工場見学の希望があった際には受け入れていただくよう伝えています。

また、高校生採用のスケジュールに合わせた活動も意識しています。
7月に入ると、多くの高校では保護者と先生を交えた三者面談が実施されます。夏の時期に実施される三者面談で進学か就職かを決めるケースが大半ですが、高校生が自身の進路を真剣に考えるこの時期に工場見学を開催し、仕事や働くことへの理解を深められるようにしています。

高校生が抱く不安を払しょくする取り組み


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秋山
地元を離れることや働くことに不安を抱えている高校生も少なくありません。高校生の不安を和らげるために、工場見学では高卒で入社した先輩社員や同じ高校出身の先輩社員を呼び、実際の職場の様子や働き方、日常などを伝える機会を設けています。

また、弊社では入社後1年間は、草津に所在するモノづくり学校に在籍し、同期と共に技術を学びます。工場見学の際は、モノづくり学校も見学し、どのようなところに通い、どのような技術を習得していくのか、高校生が具体的なイメージを描けるようにしています。

今後に向けた取り組み ~新規高校の開拓~


パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社<br>秋山 パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
秋山
パナソニックグループにおける高校生採用の人数は、微増を続けています。加えて採用競争が激化する昨今においては、現状のままではいずれ立ち行かなくなるでしょう。
今後に向け、新しい高校の開拓にも注力していかなければなりません。

弊社では、新規開拓に向けて、現在3つの施策を実施しています。

1つ目は、既存社員のプロフィールをさかのぼり、10年、20年前でも過去に採用実績があった高校に対してアプローチを実施しています。

2つ目は、関係性を構築できている学校や、同じエリア内で転勤された先生からご紹介をいただいた高校を新たな対象として、学校訪問などを通じて新規開拓に努めています。

そして3つ目の取り組みとして、工業高校に限らず商業高校にも対象を広げ、幅広くアプローチを行うことで新規開拓に取り組んでいます。

ミスマッチを最小限にする高校生採用のベストプラクティス 詳しくはアーカイブ配信で!



<その他、こんなこともお話しています!>
◆ 学校の先生に対する企業理解の促進方法
◆ 保護者が抱える不安払しょくに向けた取り組み
◆ 職種ごとの応募の偏りをなくすための施策 等

当日お話しいただいたWORKS REVIEWの動画をアーカイブで配信しています。
保護者や学校の先生とのコミュニケーション、各学校との関係性構築における工夫など、
参考になる情報が発信されています!
ぜひご視聴ください。

【アーカイブ配信対象】
収録日: 2024/11/27
テーマ: ミスマッチを最小限にする高校生採用のベストプラクティス

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