採用活動
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「リファラル採用 ~社内浸透のポイントと得られる効果~」を開催しました

出演者

杉浦 真吾 様

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社 HR新卒採用部 新卒採用担当/DE&I推進担

杉浦 真吾 様

新卒では長期インターンをしていたベンチャー企業に入社し、外国籍エンジニアの採用業務を主に担当。
2021年1月より中途で日本TCSに入社し、新卒採用担当とDE&I(ダイバーシティ, エクイティ&インクルージョン)推進担当を兼務。

押田 佳織 様

AMBL株式会社 人事総務部 新卒採用担当

押田 佳織 様

2016年、ITベンチャー企業へ新卒入社。
社内にてSEを経験後、新卒採用担当へ転身。
2020年よりAMBL株式会社新卒担当として入社。
採用から社内コミュニケーションまで業務を行っている。

岡野 玄

株式会社ワークス・ジャパン ファシリテーター

岡野 玄

島田 和樹

株式会社ワークス・ジャパン 司会

島田 和樹

新しいチャネルとして注目されるリファラル採用

島田 島田
これよりワークスレビュー「リファラル採用 ~社内浸透のポイントと得られる効果~」を開催いたします。本日司会を務めますワークス・ジャパンの島田です。どうぞよろしくお願いします。優秀な人材を獲得するために、新卒採用市場においては様々な手法が取り入れられていますが、社員の知り合いや友人の紹介をもとに選考する手法、リファラル採用が新たなチャネルとして注目されています。今回は日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)株式会社様、AMBL(アンブル)株式会社様にご登壇いただき、自社の新卒採用、経験者採用での活用事例とその効果、また活用によって社内に与えた影響についてレビューします。
本日のゲストをご紹介します。お一人目は日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社HR新卒採用部の杉浦真吾様です。お二人目はAMBL株式会社人事総務部新卒採用担当の押田佳織様です。ファシリテーターは、ワークス・ジャパンの岡野が務めます。
岡野 岡野
皆さんこんにちは。本日のファシリテーターを務めますワークス・ジャパンの岡野です。どうぞよろしくお願いします。まず2社様の採用の概要をお願いします。
杉浦 杉浦
我々は新卒と経験者採用両方を行っています。新卒採用では、2024年入社の採用目標が350名です。学部・専攻不問で全員ソリューションエンジニアとしての採用です。夏から随時ワンデーインターンシップを開催しています。母集団形成の施策として、ナビサイトや、ダイレクトリクルーティングサービスによるスカウトを利用しています。とくにターゲットとなる学校の学生には、個別に学内セミナーも開催しています。リファラル採用は、昨年度から本格的に取り組み始めました。経験者採用の人数は非公開ですが、採用職種はシステムエンジニア、コンサルタント、セールス、人事等幅広い職種です。経験者採用の方がリファラル採用を上手く活用できていると思います。
押田 押田
AMBLの24卒新卒採用は60名程度の予定です。採用職種はデータアナリスト、システムエンジニア、クリエイティブ、セールスの4コースです。母集団形成の施策はナビサイト、ダイレクトリクルーティングサービス、紹介会社、リファラル採用です。経験者は、採用人数60名以上で、おおよそそれ以上採用しています。採用職種は新卒とほぼ同じですが、より細かく募集しています。

なぜリファラル採用に取り組んでいるのか

岡野 岡野
トークセッションを始めます。一つ目のテーマは、リァラル採用実施の背景です。なぜリファラル採用を行うに至ったかについて教えてください。
杉浦 杉浦
当社は2021年度から本格的にリファラル採用に取り組んでいます。実施の背景には、採用に二つの課題があったからです。一つ目は、学生の皆さんにとって、タタはあまり知られていないということです。都市部の学生さんにはある程度知られるようになりましたが、地方の優秀な学生さんには知られていません。既存の採用手法プラスアルファで、新しい採用のチャネルが必要でした。二つ目は採用チームだけで採用活動を完結させることに限界が来ていたことです。採用目標350名に対して、正社員4名、派遣社員2名の計6名では対応しきれません。今ワンデーインターンシップについて各チームの評価を、2~4年目の社員にやってもらっていますが、優秀な当社の若手社員をぜひ採用のプロセスに生かしたいと思った結果、優秀な人の後輩や友人はやはり優秀だろうと考え、リファラル採用に取り組むことに決めました。
押田 押田
AMBLでは、新卒のリファラル採用を始めたのは、私が入社した3年前からです。きっかけは会社の規模を拡大するフェーズに入り、採用人数を増やしていきたいということがありました。それならば、チャネルを増やそうということです。あとは専門職での採用が多いため、内定者や新卒入社した人の同じ学校や友人など、同じバックグラウンドの方を求めたいという考えもありました。
岡野 岡野
社員数が500名で新卒を60名ということは、第2の創業期を迎えるみたいな感じですね。
押田 押田
そうですね、ここ数年社員数が急速に増えていて、さらに増やしていくというフェーズになっています。

リファラル採用の具体的な活動方法

岡野 岡野
次のテーマは、リファラル採用の具体的な内容についてです。
杉浦 杉浦
今の内定者と若手社員、総勢大体500名程度の社員に、社内のポータルサイトで、求める人物像、紹介の方法などを案内して声掛けしています。また、採用マイページで、リファラル経由社員であることが、わかるように管理しています。社員の紹介で応募してくださる学生さんは、採用の基準を超えて、尖ったもの、光るものを持っている方が多いと感じています。
岡野 岡野
紹介してくださる方は増えている傾向ですか。
杉浦 杉浦
昨年度は40名くらいの紹介のうち、2、3名の採用だったのですが、2023年度は100名弱の紹介があり、10名弱採用できると思います。
岡野 岡野
紹介に対するインセンティブはあるのでしょうか。
杉浦 杉浦
成果報酬は5,000円分の社内通貨を発行するくらいです。報酬を期待してという活動ではなく、能動的にやってくれていると感じています。
岡野 岡野
紹介してくれた方は、人事が接触した後、採用プロセスのどこかで登場するのですか。
杉浦 杉浦
マストで何かをお願いしてはいませんが、「誰々はどうでしたか」とか「面接はどう臨めばよいですか」という質問は受けます。求職者にフォローしてくれていることも多く、助かっています。
岡野 岡野
新卒でいうと対象者は自分の母校の後輩になるのですか。
杉浦 杉浦
多くの場合、研究室の後輩やサークルの後輩になります。
岡野 岡野
AMBLの押田さんお願いします。
押田 押田
AMBLでは内定者のフォローコンテンツの一環になっています。6、7名のチームを作り、何人紹介して何人内定承諾者が出たかを競い、6月ごろに結果発表しています。1位のチームには1人1万円のお食事券を出しています。内定者用にリファラル用のポータルサイトを作っていて、就職活動している学生さんに配布してもらい、エントリーしていただく形です。
岡野 岡野
内定者フォローでは、どういうことをグループでやっているのでしょう。
押田 押田
基本的には、アクションプランをチーム内で設定してもらいます。研究室で話してもらうとか、自分の学校のキャリアセンターで紹介してもらうとか。人事が指示を出すのではなく、気持ちよく動いてもらうために、自分たちで考えて行動してもらっています。キックオフはリアルで集まりますが、ご時世もあり、進捗確認や軌道修正は月1回オンラインで集まってもらいます。
岡野 岡野
キャリア採用でもリファラル採用は根付いていますか。
杉浦 杉浦
日本TCSでは、キャリア採用について、グローバルのフォーマットをそのまま使っていて、紹介もそれに則ってやっています。
押田 押田
AMBLではかなり前から利用していて、キャリアの方だと報酬額を高めに設定して、紹介入社の場合は報酬型で社員に還元しています。社内には社内ブログやポータルサイトを使って通知をして、キャンペーンなどの施策をしながら社員からの紹介を募っています。前職で一緒の方や、仕事で一緒になった方を紹介していただくこともあります。役員からのリファラル採用もすごく多い会社です。

リファラル採用の効果はどこにあるのか

岡野 岡野
3つ目のテーマ、リファラル採用の効果についてお願いします。
押田 押田
リファラル採用を始めてから、10月以降の内定者辞退が今のところゼロです。コミュニケーションを取る場が増えて、会社理解も推進できているので、入社することに対する確かな気持ちだとか、ギャップが少なく感じられるところがあり、大きな効果が出ていると思います。入社後1、2年目の社員でも、紹介したいとか後輩が入りたいと言っているという話が増えたので、社員たちからの紹介は、今後も多いと思っています。つい先日には弟を紹介したいということもありました。
杉浦 杉浦
リファラル採用を始めたことによって、自分が働きやすい環境を自分で作るべきだというマインドセットが若手社員の間に浸透してきていると日々感じています。自分の働く環境で課題がある時は、自分で対処しようとするメンタリティをすごく感じます。
岡野 岡野
リファラル採用をやってみて意外だったとか、困った点はありましたか。
押田 押田
モチベーションの差は人によって違いました。積極的に発信する方もいれば、そうでない方もいます。入社する会社に対する自信を持ってもらうためのフォローが必要だと感じています。
杉浦 杉浦
自分の会社に誇りを持っている、いい会社だなと思っているからこそ、紹介ができるわけですからね。

採用者に占める割合と今後の課題

岡野 岡野
では最後のテーマ、リファラル採用における今後に向けての検討についてお願いします。
押田 押田
いい会社にしていくことが大事です。弊社は500名ちょっとの会社になって、人事制度を見直しして、今より良くするための施策を社内たくさん検討しているところです。外から見ても内から見ても、この会社の制度はいいと思ってもらえるように整えていくことが重要です。
岡野 岡野
若手社員の本音を聞きたいという学生さんが多いと思います。実際に入って、どんな仕事をするのか、どんな1日を過ごすのかというところでは、リファラルで声をかけるからには、本音を聞けていると学生さんは思うでしょう。
杉浦 杉浦
我々はAMBLさんと違って、内定者フォローに役立てきませんでした。AMBLさんを参考に、内定者フォローの施策の一環として検討してみたいということが一つあります。二つ目は求める人材像をアバウトに示しているので、もう少し細かく求める人材像について若手社員と内定者に伝えていけたらなと思っています。もちろん、根本的にはいい会社になるということ。そうすれば誇りを持って後輩に伝えやすくなると思います。
島田 島田
経験者採用でのリファラル採用について、採用が決まった際の報酬を支払っているのか、定着後に報酬を支払っているのか、報酬の支払時期についてのご質問がありました。
杉浦 杉浦
新卒もキャリア採用も社内規定に書いています。キャリア採用の場合、支払い時期は入社後3カ月の試用期間が終わった時にお支払いしています。新卒は内定した時点で支払う形です。新卒の場合、最終的に入社するか選ぶのは本人の自由意思であるべきだろうと思っているので、そのような形にしています。
押田 押田
今はキャンペーンという形でやっているので、規定には載せてないと思います。報酬は2段階で払っていて、入社したら半分、あと半年後に定着したら半分、という形です。
島田 島田
新卒採用で内定者に占めるリファラル採用の割合はどのぐらいですか、という質問です。
杉浦 杉浦
200名弱ぐらいの方が23卒で入社予定ですが、そのうちの10名弱くらいです。24卒では10%弱ぐらいになるといいなと思っています。
押田 押田
23卒は54名入社予定で、リファラル採用は6名です。毎年10%くらいだといいなと思います。
岡野 岡野
最後に視聴いただいた方々に向けて、メッセージをお願いします。
杉浦 杉浦
我々もリファラル採用はまだ道半ばだと思っています。ただ、リファラル採用は、人事と社員と応募者が、より密接に繋がるためのきっかけを与えてくれるものです。人の繋がりを大事にしてやっていけたらいいなと思っています。
押田 押田
リファラル採用は採用手法の一つですが、会社をよりよくするための制度作りや、社員のモチベーションを高める効果もあります。会社全体の組織的な改革を進める施策としても使えると思います。
島田 島田
ではこれでワークスレビュー「リファラル採用 ~社内浸透のポイントと得られる効果~」を終わります。ありがとうございました。