採用活動
オンライン

「23卒夏の母集団形成期に何を学生に発信すべきか? ~学生と大学キャリアセンターの声から考える~|就職アドバイザー×明治大学×23卒学生」を開催しました。

出演者

 髙梨 竜 氏

就職アドバイザー

髙梨 竜 氏

1999年、株式会社朝日新聞社入社。13年間の営業企画職を経て、2012年に人事部採用チームへ異動。新卒・社会人・障がい者の採用に携わる。全国各地の大学内でのセミナーや、採用支援会社が主催する合同企業説明会にて、これまで多数の学生に接する。2018年に同社を退社したあとは、採用業務の経験を活かして、就職活動や採用業務の支援を行っている。

青木 博 氏

明治大学
就職キャリア支援センター

青木 博 氏

2005年学校法人明治大学に入職。2014年より生田キャンパスにて、理系学生向けの就職支援に4年間関わった後に、2018年からは駿河台キャンパスにて文系学生向けの支援に関わる。これまでに学生相談、企業との関係構築、支援行事企画、新システム構築、海外インターンシップなど幅広い業務を担当。

 学生Aさん

2023年卒業予定学生

学生Aさん

 学生Bさん

2023年卒業予定学生

学生Bさん

 中島 光一

株式会社ワークス・ジャパン
コミュニケーションデザイン事業部 プロモーション部 PR3課

中島 光一

明治大学のキャリア支援

中島 中島
初めに明治大学では22卒学生のキャリア支援をどのように行ったのか、20卒、21卒と比較して教えていただけますでしょうか。
青木 青木
22卒の就職支援については全てオンラインでの支援というかたちで、大きく変わりました。20卒は全て対面、21卒については、4月以降オンラインになりましたけれども、本当に最初から最後までオンラインでやっているのが、22卒の支援の特徴になります。本学のキャリアセンターの特徴は、「相談」「情報提供」「支援行事」という三本柱があります。相談については、昨年の4月から約一年かけて約15000回程度全てオンラインでの個別相談をやりました。情報提供については「M-Career」という就職支援システムで、企業からいただいた求人票などを一元化して、学生もスマートフォンからそのシステムに入れば、情報が全て見られるようになっています。支援行事については、これまでキャンパス毎にやっていたものを、極力一元化しながら、年間250回ほどの行事を開催しました。
支援にあたり、我々も就職活動における課題を捉え、それに向けてどんな支援をしていく必要があるのかを考えたうえで、大きく3つの課題を取り上げて活動しています。
一つは、企業の採用活動が早まっているので、我々の支援も4月から12月くらいの年内に活動のピークをもっていくという計画を立てました。12月以降は、企業との接点創出や準備が出遅れた理系学生の支援をするという状況になりました。二つ目の課題は、昨年はほぼ100%オンライン授業だったため毎回授業の課題が出されており、就職活動の準備どころではないという学生の声も非常に多かったことから、オンラインでの支援では、ライブ配信と併せて録画の動画を作成して、学生も見たい時に見られるような設定をしています。最後に三つ目、学生が自分の立ち位置とか、友達がどんな状況なのか、周囲の状況が分からないという声も非常に多かったため、オンラインでのグループ相談会というかたちで、学生からチャットで質問を寄せてもらったり、プランを聞いたり、今の状況やどんなことを考えているのかを相互に把握できるような体制をとりました。あとは、学生向けにアンケートをとって結果を共有するなど、色んなかたちで自分の立ち位置を把握してもらうように支援をしていたというのが特徴になります。
中島 中島
青木さんから見て、22卒の学生の就職活動の動きはどう捉えていますか。
青木 青木
コロナ禍によって、不安を感じている学生が非常に多くて、早くから「今何をやるべきでしょうか」という質問が多く寄せられていました。これは22卒だけでなく23卒の学生も、「低学年のうちから何をすべきでしょうか」という質問は非常に多く寄せられています。
中島 中島
もう23卒の学生からの相談もあるんですね。
青木 青木
もう23卒の学生からの相談もあるんですね。
中島 中島
高梨さんにお伺いしますが、学生と接する中で、今年の特徴として感じていることは何か有りますか。
髙梨 髙梨
私は3年間、NIKKEI STYLE U22 アカデミーの講師を務めています。最初の2年は対面でのセミナーがメインでしたが、去年の9月から12月まで、初めてオンラインでのイベント実施となり、学生がどの程度リモートで真剣に向き合ってくれるのか不安でしたが、蓋を開けてみたら、結構良いんじゃないのというのが正直な感想でした。対面でやっている時はどうしても学生は緊張するんですが、リモートですと、リラックスした感じで質問もどんどん出て、フランクに企業の方ともお話できて非常にいいことだと思っていました。また、オンラインの良い点だと思うのは、今まではその場所に来なければいけないので参加者は周辺大学に限られる傾向にありましたが、今回は地方の大学生も入っていたことです。異なる状況に置かれている学生同士ですが、活発に意見も交わしていました。地方の学生からは、「地方だと、なかなか企業の方が来てくれない」というお話がありましたが、物理的な距離があるので私もそうだろうと思います。ただ、「コロナの状況でこのリモートが続くなら、我々にとっては非常に有難い。地方から都心に出てくるにも時間とお金がかかりますし、それが自宅でできるというのは、非常に有難いことです」と話されていたので、これは非常にいい面だと思います。
一方、対面でのセミナーの機会があった時に、学生の真剣な眼差しやリアルで会うことへの欲求を強く感じました。大学生は大学になかなか行けず、人にも会えなかったので、実際ワークをやっても非常に熱心で、その熱量はとても大きいものを感じました。
中島 中島
オンラインの良し悪しということですが、青木さん、オンラインを明治大学の学生は受け入れているのか、それともやはり対面型の方が良いという声が多いのか、その辺りはいかがでしょう。
青木 青木
支援行事についてはオンラインに対しては良い反応が多いです。学生も自宅に居ながら聞けるとか、アルバイトの直前まで聞けるとか、移動を伴わずに情報が聞けるのは、非常に好意的に学生は捉えていると思います。

23卒学生の状況と彼らの不安とは

中島 中島
それでは、ここからは実際にこれから就職活動が本格化される23卒学生の生の声を聞いていきたいと思います。Aさん、Bさん、お二人は文系学部の現2年生で、学内を代表する大きな学生団体組織の次期リーダーでもあります。多くの先輩や友人、多くの交友関係がある二人です。Aさん、現在の大学生活について、講義や課題の状況、自由に使える時間などを教えてください。
学生Aさん 学生Aさん
現在では、大学の授業が完全にオンラインで行われていて、授業形式は、決められた時間にオンラインにて講義を視聴するものと、与えられた資料を見て、課題を提出する形式の2種類で行っています。私としては、授業があった時よりも、課題が増えて忙しく大変になったという印象です。
中島 中島
就職活動について、今どのように情報収集をしていますか。
学生Aさん 学生Aさん
就職活動に関しては一つ上の先輩や、二つ上の先輩から、実際の経験談を聞くことや、同い年であっても、就活に対して積極的な取り組みをしている人に話を聞くということしかできていないです。
中島 中島
この先、どのようなことを不安に思っているかを聞きたいのですが。
学生Aさん 学生Aさん
就活に対して、まだ完全に理解しておらず、どのような準備をどのようなタイミングに行うのが正しいのか分からないという、漠然とした不安がある状態であと、先輩方の経験談を聞いたとしても、実際の今のコロナ禍の状況で変化しているので、ためになるか何を活かせばいいか分からないというような不安があります。
青木 青木
具体的に就活準備をしてみようとなった時に、まず何からやろうと思いますか。
学生Aさん 学生Aさん
まず、インターネットで調べるということしか思い浮かばないです。自分のやりたい業種や、その企業が今大学生に対して、どのようなことをしているのか、ということをまず調べようかなと思っています。
髙梨 髙梨
さっき先輩から話を聞いたということなんですが、実際先輩たちがどんな話をされていたのか、もうちょっと具体的に教えていただいてもいいですか。21卒の方ということですよね。
学生Aさん 学生Aさん
そうです。恐らく21卒の時は、オンラインだけではなくて、実際に会って面接やインターンシップが出来たようなので、今の状況よりは、会社のイメージが付き易かったという話を聞きました。あと、実際に会社に行った方が、イメージがわき易いとおっしゃっていました。
中島 中島
Aさんは、アンテナを立てて色々試行錯誤されているところですが、周りの学生は動かれてますか?
学生Aさん 学生Aさん
完全にばらばらな状態で、人はもうインターンシップに参加して、一年経っている人もいれば、逆に就活に対して何をすればいいかも分からないから、何もできていないという人もいっぱいいるし、人それぞれという感じです。
髙梨 髙梨
対面授業があった時との生活の違い、時間の使い方とか変わってきていると思いますが、その辺りはいかがでしょう。
学生Aさん 学生Aさん
対面授業があった時は、毎朝学校に行って、昼頃学校終わって、夕方バイトをしたりサークル活動をしたりという感じで、リズムが一定でした。一方、オンラインになったことによって、自分の好きなように時間を作り易いという傾向はありますが、その分生活リズムがばらばらになってしまったという状況です。
中島 中島
続いてBさんにもお聞きしたいと思います。同じ質問にはなりますが、現在大学生活の状況について詳しく教えていただければと思います。
学生Bさん 学生Bさん
私の大学では、昨年度の授業形態は殆どオンラインでした。オンデマンド形式の講義が多く、好きな時間に講義を受けることができました。ですので、そのため対面の時に比べて、課題の量は増えましたが、キャンパス等の移動時間を含めると4時間から5時間くらい、自由に使える時間が増えたというところですね。
中島 中島
オンデマンドに対する抵抗感というのは、あまりない感じですね。
学生Bさん 学生Bさん
私としては、オンデマンド形式の方が嬉しいです。録音されている動画なので、その動画の形式によっては、1.5倍速で見れたりするんですね。そうすると、90分の授業を60分で見れたりするので、そのぶん、自由に使える時間が増えるということもあるので、私としては非常に嬉しいです。
中島 中島
倍速で見るという概念がなかったので、非常にいい気付きです。ではBさん、今どのように就職活動をされて、情報収集をされているか、教えてください。
学生Bさん 学生Bさん
情報収集に関しては、先輩からの話を聞くことが多いです。また、知りたい業界や会社のことは、インスタグラムやYouTubeを通じて情報収集をしていますが、どうしてもぼんやりとしたイメージを掴むことしかできていない状況です。就職活動としては、昨年業界について知るために、長期のインターンシップを4社ほど応募しましたが、全て落ちてしまったので、今は一度インターンシップのことを考えずに、資格習得に向けて勉強している段階です。
中島 中島
資格というと?
学生Bさん 学生Bさん
今、勉強中なのはファイナンシャルプランナーです。
中島 中島
情報収集はインスタグラムや、YouTubeに上がってる会社説明の動画とかですか。
学生Bさん 学生Bさん
はい、そういうことです。
中島 中島
就職活動の進め方の中で、不安に思われること、この先どうしていいか分からないことはありますか。
学生Bさん 学生Bさん
不安に思っていることは、やはり具体的な情報が、まだ不透明なことですね。業界のイメージを大まかに掴めたとしても、実際のその業界の人が具体的に、一日をどういうスケジュールで過ごしているのかとか分からない部分が多いので、実際に自分が働いている状態を想像しにくいと思うことがありますね。
中島 中島
お二人共通して、不安視されていますけれども、青木さん何かBさんに向けて質問されたいことはありますか。
青木 青木
まさにYouTubeとかインスタから就職の情報を取る学生は非常に多いというのは、私も学生相談をして感じています。色んなことをオンラインで情報収集していく中で、こういったオンラインでのツール、手法だったら見たいな!とか面白いな!と思えるポイントはどこだと思いますか。
学生Bさん 学生Bさん
私は先程も申し上げたように、インスタグラムやYouTubeをよく見ているので、インスタグラムの場合だと、例えば自分の知りたい業界のこととか、就活関係の人をフォローしていると、おすすめのところに業界や、就活に関しての情報が出てくるんですね。それはYouTubeも同じですが、就活のタイトルがあると、クリックしてみようとか、インスタグラムだったら見てみようかなという気持ちになることが多いです。
青木 青木
知りたい情報を登録しておけば入ってくる仕組みだと、つい見てみようかなとなるんですね。
学生Bさん 学生Bさん
はい。
髙梨 髙梨
2年生のこの早い時期でインターン挑戦されてるということで、相当意識が高いですね。お話の中で「長期のインターン」と仰いましたが、なぜ長期のインターンだったのかと、Bさんの言う長期とは、どれくらいの期間なのかを教えてください。
学生Bさん 学生Bさん
長期のインターンシップは半年から一年程で考えています。というのも、私2年ということもあって、本格的に始動するまでに時間があるとので、実際の業界に飛び込んでみて、現場の経験値を時間のある段階で積めたら、本格的に就職活動が始まる際に有効になるのではないかと思っていました。
髙梨 髙梨
どれくらいの頻度だったら参加できそうな感じですか。今の皆さんの生活でいうと。
学生Bさん 学生Bさん
授業がオンラインということもありましたので、もし研究やゼミがあったとしても、週3回はコミットできると思っていました。
髙梨 髙梨
逆になぜ短期ではだめなんですか。
学生Bさん 学生Bさん
私自身、時間があったということと、短期は短いものだと2~3日、もしくは1日で終わってしまうものもあるので、それだと業界のことについて、イメージを掴むという目的からすると難しいのかなと考えていました。
中島 中島
お二人、それぞれ大学は違いますけれども、そういった情報をキャリアセンターから得るとかは、考えましたか?
学生Bさん 学生Bさん
特に積極的にキャリアセンターから情報収集するということはしていなかったので、今回お話を伺って、キャリアセンターにも聞いてみていいかなと思いました。
学生Aさん 学生Aさん
本当に申し訳ないんですけれども、キャリアセンターという存在自体を今回まで存じ上げませんでした。しかし話を聞いてみるのは絶対に無駄にはならないと思うので、訪ねてみようかな、調べてみようかなと思いました。
中島 中島
こういったご意見がありますけど、青木さんいかがですか。
青木 青木
キャリアセンターを低学年のうちから利用する学生は、本当にごく一部だと思います。私自身が学生生活を振り返った時も、就職時一回も行ったことなかったですし。ただ、実際キャリアセンターにいると、学生時代にこういう情報を知っていたら良かったなとか、こんな支援あったら利用していたなとか感じることが結構多いので、もしかしたら今までなかった新たな気づきを得ることもできるかもしれませんね。
中島 中島
私も明大出身でして、当時は同じように、殆ど使っていませんでしたが、こうやって社会人になってみて、こういう支援をされていたんだって、改めて気付かされたので、学生の皆さんも是非利用してみるとよろしいかと思います。

23卒学生が望むインターンシップ

中島 中島
お二人はこれから先、夏のインターンシップに応募されると思いますが、どのようなインターンシップに行きたいか。開催形式や期間についてイメージがあれば教えていただければと思います。
学生Aさん 学生Aさん
コロナの状況もあると思いますが、一日だけだったとしても少しでも多く、実際に会社に行ったり、リアルタイムで面と向かって話を聞けたり体験できるのが理想です。オンラインだとしても、一日限りよりは、例えば一週間だったり一ヶ月間だったりという方が、相手の空気感や印象が掴みやすいと思うので、そのようなインターンシップが理想ですね。
学生Bさん 学生Bさん
私自身もこのような状況下ではありますが、対面でのインターンシップに参加したいと思っています。やはりリモートだと現場の雰囲気が掴めないといったことが考えられるので、対面がいいなと思っています。
中島 中島
実際企業を知るフェーズにおいては、対面を望むという声が多いですけど、やはりそうなんですね。
髙梨 髙梨
先輩たちは行けていましたが、ご自身はまだOB・OGと実際に会ったり、現地になかなか行けないという背景から、より一層そういったコミュニケーションを求めているんですね。
中島 中島
インターンシップに参加される際に、どのような情報を企業から欲しいか聞きたいと思うのですが、Aさんどうですか。
学生Aさん 学生Aさん
この企業はどういう企業で、どういうことを普段しているかというのは調べて分かるので、インターンをした時に、自分がどのような経験を積めるかというのを、すごく聞きたいです。
学生Bさん 学生Bさん
私は、インターンシップは色んな職種や業界を見てみたいと思っているんですけれども、インターンシップ先を選ぶ際には、企業のコンセプトと、自分の性格を照らし合わせて、自分に合いそうな企業を選びたいと思っています。企業側がどういう人材を求めているかというのを提示していただけると、私も含め他の就活生も企業で自分がどのような働きを要求されているかがわかり、学生側も準備ができるんじゃないかなと思います。
青木 青木
まさに今Aさんが言っていたように、企業のインターンシップ情報は、プログラムが抽象的に書かれているところがあり、学生側も具体的な内容をイメージしづらいということが結構あります。ですので、企業もより具体的な情報提供をいただけると、そのプログラムに共感して参加しようと思う学生も増えて来ると思います。
髙梨 髙梨
今、お話を聞いていると「何をします」というのは伝えたとしても、多分彼らが求めているのは、それに参加することで得られるメリットですよね。何を得られるのか、経験できるのか。そこを学生に対して明確な発信をする必要があると感じました。
中島 中島
お二人のお話から非常に23学生のリアルな現状が伝わってまいりました。学生への質問タイムは終了とさせていただきます。Aさん、Bさん、どうもありがとうございました。

学生Aさん 学生Aさん
ありがとうございます。
学生Bさん 学生Bさん
ありがとうございます。

23卒採用に向けて

中島 中島
青木さん、具体的に2023卒採用を計画していく上で、4月からの学事日程や講義の形式に変化はあるのでしょうか。
青木 青木
本学につきましては基本的には4月の8日から7月いっぱい、これが春学期の期間になります。7月の後半、第三週、第四週あたりから、定期試験が入ってくるという状況です。秋学期は9月20日からスタートして、1月の期末試験で終わりますので、基本的には8月~9月の半ば、そして2月~3月にかけて、学生は長期休みに入るという状況です。授業については、現段階で約7割の授業が対面で行うということで大学は告知しているので、コロナの状況にもよりますが、比較的キャンパスの中にも学生が出入りするような機会も増えて来ると思っています。
中島 中島
スケジュールは22卒と特段変わらない感じですね。23卒の学生に対しては具体的にどのような活動支援の変化がありますか。
青木 青木
23卒に向けてどんな支援を計画しているかというと、「相談」「情報提供」「支援行事」という3本柱でやっていく点に変更はございません。まず支援行事については、ハイブリッドな支援で、ライブ、録画動画、あとは対面の行事も一部導入していきます。個別相談についても、基本的にはオンラインベースで考えていますが、やはり企業も、対面での選考、面接が出てくると思いますので、22卒向けには、徐々に対面の相談も導入しながらやっていくということが、大きな方向です。昨年の4月、5月が緊急事態宣言もあって、なかなか支援行事がやりにくい部分もあったので、今年度は4月から夏のインターンシップ向けに、行事を配信していくという状況です。4月1日以降、まずは進路・就職ガイダンスで、就職活動の最新動向とか、あとは4月の後半にインターンシップの準備のガイダンスとか、だいぶ春学期に行事を凝縮させながらやっていく予定です。昨年は、結局春学期の視聴が一番多かったので、いかにこの春学期中に、キャリアセンターを認知してもらい、ここから準備していこうという学生を増やしていけるかを一つのテーマとして掲げています。もう一点は、学生と企業の接点創出のサポートですが、我々としては視野を広げる仕組み、知らない企業とか、知らない業界を学生にどう知ってもらうかということを、一つテーマとしています。そういう意味では、業界軸で業界研究セミナーであったり、仕事理解軸での仕事研究セミナーであったり、あとはテーマ軸で、例えば「グローバルで活躍できる」「社会貢献性」「OB・OGが来ます」など、個々の学生の価値観にあったイベントを開催していくことで、学生がたまたま参加したらよい企業に出会えたといった「偶然の出会い」を見出せるような仕組みを考えています。
中島 中島
対面とオンライン、ハイブリッド型で来期は支援されていくというところでしたけれども、高梨さん、企業側としてはどういった変化があるのかを企業目線で語っていただければと思います。
髙梨 髙梨
どの企業も去年の今頃は、これから面接しようとしたら全部ウェブに切り替えないといけませんでした。22卒については、最初からリモートで回してきていますので、一つのかたちとして広く伝えていくというところはリモート、必要最低限ここは必ず会わなきゃいけないというところでは、リアルで会う。このリモートとリアルのバランスですよね。全てリアルでやるんだという企業はリアルでするでしょうし、全部ウェブでという会社だったらウェブでいいと思いますので、そこはこの22卒が終わったところで、ほぼ出来上がると思います。23卒はそのまま行くんじゃないかというのが、私の予想です。それに伴って、例えばエントリーシートの在り方とか、適性検査であったり、エントリーシートの代わりに動画を使ったりとか、そういうことも増えると思います。

まずは不安要素を取り除いてあげる

中島 中島
ここからは、キャリアセンターから企業にどういうことを望まれるかということをお聞きしたいのですが、大学側だけでは行き届かない分や、企業から是非学生に訴求して欲しい部分などあれば、教えていただきたいと思います。
青木 青木
先程学生さんのコメントにもありましたが、自分がそこにフィットするか、しっかりその会社でやっていけるのかという不安、そこが知りたいという学生のニーズが多いと思っています。説明会等で、その企業が扱っている製品、サービス、事業内容の説明はあると思うのですが、具体的に、例えば1年目から3年目の仕事のイメージを持ってもらうような仕掛けや、現場の社員の方を巻き込んで、入ってからこんな仕事があるというところ、入社後のイメージを見出せるようなかたちの情報提供があると有難いと思います。学生もどうしても志望動機や入社後にやりたいことを書く時に一番つまずくと言いますか、非常に悩む項目でもありますので。
中島 中島
高梨さん、これから企業が情報発信していく際に留意しておくこと、キーポイントなど教えていただければと思います。
髙梨 髙梨
まず感じたのは学生の不安感が半端ないというか。やはりコロナ前の学年と比べると、あの頃は世の中で売り手市場と言われていて、不安ではありながらも、なんとかなるんじゃないかというのはあったと思うんですよね。ただどうも先輩の活動を見ていると、23卒については、ちょっと厳しいぞと。動くに動けない。その不安感がポイントで、その不安感を安心に変えてあげるというのが、一つあると思っています。二つ目ですが、時間があることが功を奏して、空き時間でホームページなどを見ているんですね。ただ、あくまでそこに載っている情報はコロナ前の情報についてのものなので、どうもコロナ後に入社する自分たちにとっては、参考にならない情報なのではないか、鵜呑みにできないというところがあると思います。それが内容面ですね。もう一つが、誰から情報が届くかが大きいと思っていまして、3年で3割が辞めると言われる訳ですが、学生は3年で7割が勤めているという捉え方はなかなかできず、3年で3割辞めている。自分がその3割に入ってしまうかもしれない、という捉え方をしています。色んなホームページを見ていて、大きなプロジェクトをやった方を見ていると、ある程度年次がいった方なんですよ。自分自身が3年いられるか分からない時に、4年以上の人の話は参考にならない、3年目を乗り超えた人たちということで、なかなか素直に受け取れない、というのを感じました。もし私が採用担当をしていたら、不安を安心に変えるために身近な1年先輩とか2年先輩の人の情報、具体的には去年の4月に入社した人が、この一年どのような仕事をしてどのような気持ちで過ごしていたのか、これを届けるのが彼らに響くのではないかと思っています。この4月に更に新入社員が入ってきますので、リアルタイムで情報を届けることができると思いますし、できればそういう方からの、例えば就職のアドバイスというか応援していますよというようなメッセージもいいと思います。かつ夏のインターンの説明会があれば、一年目、二年目の方に登壇していただき「こういう状況で大変ではあるけど、元気で頑張ってやっているよ」、みたいなことを学生に話していただけると、不安が安心に変わると思います。まずは不安要素を取り除いてあげる、これを第一にメッセージにしてあげると学生にはいいのかと思いました。
中島 中島
今、新入社員の方々の登壇が重要なキーポイントになって来るというお話がありましたけれども、そのへんはいかがでしょう?
青木 青木
キャリアセンターとしても、内定者からのフォローはやっています。内定した学生が就職活動にどう取り組んできたかというようなサポートは結構ありますが、入ってから1年目、2年目の人達のフォローはたまにOB・OGとの懇談会に来てくれるくらいで、なかなか我々もカバーしきれていない部分もあります。学生も一日のスケジュールとか、実際今どんな仕事をやっているのかとか、オンラインのリモートワークなど、入社して直近の人はどうなんだろうという点は、非常に気にしていると思います。
中島 中島
どうもありがとうございます。このあたりでお時間が来てしまいましたので、お二方よりメッセージをいただきたいと思います。青木さまから、よろしいでしょうか。
青木 青木
大学としても、企業の動向や、企業が感じる課題感を把握したうえで、学生の支援を行っていきたいと思っていますので、引き続きこまめにコミュニケーションをお願いしたいと思います。もう一点は、卒業後の就職を見据えて、低学年から学生が成長していくための支援には非常に力を入れています。そういう意味では、低学年向けのインターンシップや課題解決型のプロジェクトなど、色々立ち上げて行おうとしていますので、是非低学年からの成長支援にもご協力いただけるとありがたいなと思います。本日はどうも、ありがとうございました。
中島 中島
ありがとうございました。では、高梨さまからよろしいですか。
髙梨 髙梨
ちょうど今22卒を回しながら、21卒の入社式の準備をしている段階かと思うのですが、思ったより今の2年生の動きは早いようです。企業の皆さんも早く準備をしていく必要があるということと、これからは対面、リアルの機会が増えると思いますので、やはり会社を実際に見せてあげていき、ここで働いているリアル感を伝えることで、学生も安心して、居場所を発見することができると思います。大変だとは思いますが学生と会社の相互にとって、いい出会いがあるのではないかと思っています。本日はありがとうございました。
中島 中島
高梨さん、どうもありがとうございました。では、最後に学生のお二人にもご登場いただきたいと思います。一言感想をいただければと思います。
学生Aさん 学生Aさん
実際にお話を聞けて、就活に対するイメージや、これからの動きについて、かなり明確になりました。ありがとうございます。
学生Bさん 学生Bさん
就活に向けて気持ちが一歩前進できました。私自身もこれから頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました。
中島 中島
ありがとうございます。